全国アマモサミットについて

全国アマモサミットとは、「アマモ」や「アマモ場」を象徴的なキーワードとして、海の自然再生・保全を目指している全国的な大会です。
平成20(2008)年の横浜大会以来、全国各地の沿岸域が抱える環境問題をテーマに、毎年地域の事例発表や意見交換の場として、全国各地で開催されています。

令和元年の今年は11月9日、10日と宮城県の塩竈市で開催されます!

そもそもアマモって何?

アマモとは、イネ科と同じ単子葉類の草本で、陸上の草と同じように花を咲かせて種子を作ります。別名「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(竜宮の乙姫の元結の切り外し)」と呼ばれ、生物としては、日本で一番長い名前を持っています。

阪南市には、大阪湾で数少なくなったアマモの自生地があり、この自生地の保全・再生に向け、地元漁業協同組合、NPO団体、学生、ダイバー、その他、多くの市民・団体のみなさんが活動されています。 またこの活動は、地元小学校の学習プログラムの一環となっており、花枝採取・選別・養生、種子選別、苗床つくり、種まき、移植まで周年を通じたアマモの保全・再生活動とあわせ、漁業関係者や海で活動する様々な人々との交流を通じ、こどもたちが海と親しみ、触れあい、海を身近なものとする場となっています。
毎年活動を続けることで、アマモの数は少しずつ増えており、アマモ場としては大阪府下で阪南市はNo1!最大の規模となっています。

全国アマモサミット2018

【阪南市の持つ特性と現状、開催の趣旨】
阪南市は、山・里・海が近接し、交じり合うロケーションにあり、これらに支えられる人々が暮らすまちです。そして、アマモ場の保全・再生や海に携わる人々が、営みや様々な活動を通じて、海と親しみ、触れあう場を繋げているまちです。
その一方、

  • あることがあたりまえで、魅力としての認識への理解不足などから、山・里・海をまちの強みとして活かし、発信していくことへの理解までに至っていない
  • 連携した体制やPR不足、また、それぞれの拠点が単体のものとして捉えられがちなことなどから、山・里・海が、一体性を持つつながり、拡がりを持つコンテンツとして活用しきれていない
  • 高齢化や担い手不足などから、営みとして、また、体験型コンテンツとしての可能性を持つ、漁業・水産業の将来性が見通せない
  • 大阪湾の環境への誤解などから、大阪府下唯一の阪南産(はんなんもん)の魅力が、消費地・消費者に、浸透しきれていない
  • 連携した体制や連続性を持つストーリーづくりの不足などから、多くの市民・団体、また、行政の行う山・里・海の活動が、つながりを持ち、スケールメリットを出すまでに活用しきれていない

ことなども、現状として捉える必要があります。
このようなまちの特性と現状を踏まえ、これらの課題をクリアにしながら、市民・団体・行政それぞれがそれぞれの立場で、このまちの持つ特性をあたりまえでなく、まちの強みとして活かし、共有する、発信する、そして、次の世代に繋げていく。
そのことにより、〔地域資源である里山里海を活かした阪南スタイルの創出〕による『市民・事業者・行政との共創により活力とやさしさ溢れる新しい阪南市』の実現を目指す。そのためのより一層の契機とするため、海のゆりかごといわれるアマモの保全・再生をキーワードとして、平成20年の第1回横浜大会以来、毎年、全国で行われている全国アマモサミットを『全国アマモサミット2018』として、阪南市で開催するものです。

2018年度、阪南市で行われた全国アマモサミットの大会宣言

全国アマモサミットとは、「アマモ」や「アマモ場」を象徴的なキーワードとして、海の自然再生・保全を目指している大会です。 平成20(2008)年の横浜大会以来、全国各地の沿岸域が抱える環境問題をテーマに、毎年地域の事例発表や意見交換の場として、全国各地で開催され、平成29(2017)年は三重県志摩市で開催されました。 第11回となる開催地「阪南」。 ここには、大阪都市圏というロケーションの中で、人々の暮らしのすぐそば・程よい近さに森・里・川・海があり、人々はこれらの豊かさや恵みを日々感じながら、暮らしています。 この豊かさや恵みは、あたりまえにあるのではなく、ここに住む人々や活動する人々が、守り、育ててきたものです。 私たちは、この大会を通じ、これまで、守り・育ててきた、豊かさや恵みへの〔きづき〕、今、行われていることをわかり〔うごく〕、そして、全国各地の取組みや、シンポジウムの成果を、聞き、受けて、これからも、豊かさや恵みを、守り・育てていく・様々な人々や世代のあいだを〔つなぐ〕 そのために、このサミットに参画する皆さんで、「それぞれができること」「みんなでつくっていくこと」それを「皆さんで話し合い、決めていく」 そのような大会を目指します。

全国アマモサミット2018 in 阪南 実行委員会
実行委員長 奥野 英俊(阪南市商工会会長)

ここ、大阪・阪南には、人々の暮らしのすぐそば・程よい近さに森里川海があります。
そして人々は、これらの豊かさや恵みを日々感じながら、暮らしています。
それは例えば、古くは土佐日記に詠われているように、また、今も市の歌や校歌にも、森里川海が歌われていることにみることができます。そこには、はだしで行ける浜があり、おいしい魚や多様な生き物がいます。阪南の地先には豊かなアマモ場が広がっています。研究者は、そこに守るべき多様性と可能性そして価値を見出しています。
また、男里川・山中川など川の上流・中流・河口干潟には多様な生き物が棲んでいます。和泉山脈の伏流水が海岸近くに湧き出る清水大師、せんなん里海公園なども、森里川海のつながり、また、森里川海と人とのつながりを感じることができるものです。

大阪湾の環境は改変され、自然が失われてきました。ここ阪南にある豊かさや恵みは、あたりまえにあるのではなく、自然と共に営みを紡いできた人々が様々な活動を通じ、守り、育ててきたものです。
それは例えば、大阪府下唯一の、のり加工業などの漁業や水産加工業、また、この地の成り立ちである14村をルーツとする、ものづくりへの心を尊重し、技を継承する、「阪南ブランド14匠」などに、その姿をみつけることができます。
子どもたち若者たちは、アマモや海の環境を守るための5つのヒントを考えました。自分たちが行動することの面白さや責任を感じ、大切なことを伝えていきたいと思っています。
環境を守り、伝統を引き継ぎ、地域の振興を図るために、今、皆が動き出さなければなりません。

私たちは、この大会を通じ、様々な人々の話を聴き、感じることができました。

私たちは、私たちに何ができるか、どうすればいいか。それを考え、話しました。 今あるものを守ること、今の動きを育てること、新しくつくること。それらは一朝一夕にできることではなく、課題ややるべきことは五万とあります。
それでも、私たちには、5つのヒントがあります。私たちには、50,000の家族がいます。そして、それを応援し、支えてくださる全国の仲間がいます。
私たちは、平成時代有終の秋、ここ、阪南の地での“全国アマモサミット2018 in 阪南”の開催を契機として、

  • 1.一人ひとりは、この地の豊かさや恵みの‘守り隊’である自覚を持って、一人ひとりが、 ‘きづこら・うごこら・つなごら’を合言葉に、この地の豊かさや恵みを伝える・広めていく
  • 1.子どもたちは、みんなで阪南の森里川海で遊び、支えてくれる地域の人々や友達・先輩・後輩が共に体験・経験したことからさらに学びを深め、大人になっても忘れず、できることを実行していく
  • 1.地域で暮らし、働く全ての大人たちは、子どもたちが体験・経験できるように、その手助けを続けていく
  • 1.漁業者は営みの主体者として、おいしい魚介を漁(すなど)り、ノリ・ワカメ・コンブなどを育て、海の幸を食べる文化を支えていく
  • 1.産業界はこの地のブランド力を高める者として、それぞれの活動を発展させ、伝統の技術を次の世代に継承していく
  • 1.研究者は、アマモ場の再生を進める研究とともに、それとカキの養殖を両立させる手法など、環境保全と地域振興を共存させる道筋について検討を進めていく
  • 1.行政は、様々な人々がみんなで動けるように、下支えや仕組みづくりを考え、これからも森里川海をまちづくりの根幹としていくことを、約束しました。

この地をまた皆さんに訪れていただいたとき、「あのときの約束は、こういうことだったんだな。」と皆さんに感じていただけるよう、わたしたちは、‘きづき’を忘れず、‘うごく’を育て、‘つなぐ’をつくっていきます。

平成30(2018)年11月4日
全国アマモサミット2018in阪南 参加者一同
全国アマモサミット2018in阪南 実行委員会一同
大阪・阪南の地にて

これまでの開催地

第1回
全国アマモサミット2008-海辺の自然再生に向けた地域連携・世代連携を探る-
神奈川県横浜市
第2回
全国アマモサミット2009-全国のアマモ再生活動の取り組みと、連携と協働で中海再生を探る-
鳥取県米子市
第3回
全国アマモサミット2010 in 鹿児島-「海のゆりかご」の再生を目指して-
鹿児島県指宿市
第4回
全国アマモサミット2011-アマモ場再生の輪を拡げよう!-
大阪府大阪市
第5回
全国アマモサミット2012 in 若狭-海の恵みをみんなの力で-
福井県小浜市
第6回
全国アマモサミット2013 in みやぎ-とりもどせ!みやぎのうみ-
宮城県塩竃市
第7回
全国アマモサミット2014 in あおもり-むつ湾の恵みに感謝!これからも-
青森県青森市
第8回
全国アマモサミット2015 in くまもと・やつしろ-八代海(不知火海)・有明海の再生を目指して-
熊本県八代市
第9回
全国アマモサミット2016 in 備前-備前発!里海・里山ブランドの創生~地域と世代をつなげて-
岡山県備前市(日生)
第10回
全国アマモサミット2017 in 伊勢志摩-未来に輝け!!とこわかの海-
三重県志摩市
第11回
全国アマモサミット2018 in 阪南-ここにある魚庭(なにわ)の海 きづこら・うごこら・つなごら
大阪府阪南市
第12回
全国アマモサミット2019 in みやぎ-豊かな松島湾を次代へつなぐ
宮城県塩竈市

昨年度、平成29(2017)年は、三重県志摩市において開催されました。
高校生サミット、発表の様子また大会旗の引き継ぎの様子です。

  • 伊勢志摩大会 大会会場伊勢志摩大会 大会会場
  • 高校生サミット高校生サミット
  • 発表の様子発表の様子
  • 大会旗引き継ぎ大会旗引き継ぎ

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